たみこはん たみこはんのレシピメモ

2021-07-012021-07-05

初心者の私が【丸魚を買って捌けるようになる】までに乗り越えた事

大好きなアジのたたきをお得に山ほど食べたい…から始まった私のお魚ライフ、もう半年以上経ちます。アジから始め、現在は1.5kg程度以下の魚なら多分なんとか(?)できます。(見た目は置いといて…)

お得で楽しいので強くお勧めしたい魚食。しかしそんな私もまだ魚の扱いに慣れない頃は、嫌だなあと思っていた事が幾つかありました。そういった点をどうクリアできたのかや、買って良かった物やら色々ここにメモってみます。

この記事を読むのに向いている方:魚を捌けたらいいなーとささやかに思っている主婦。道具にお金をかけたくない方。釣りとかもしないので魚の事はよくわからない。生活に魚をとりこみたい方。など。

魚を捌けるようになるか分からない不安

食べるのが好きならぜひ、まずやってみてほしい。

普段切り身を買うなど丸魚を捌いた事が無い方、「専用の道具」やら難しい技術が必要だと思ってないでしょうか。『魚を捌けるようになるかどうか分からないのに道具を買ったりムダにしたくない』と思うかもしれません。(私はそうでした)

因みに、私が〝1.5kg程度以下の魚ならなんとかできるよ〟と言えるのがどういう感じかと言うと『魚の構造に慣れた状態』で、〝多分だいたいなんとなく処理できるでしょ〟というほんわかした自信(?)があります。魚たちの臓器は種類が違っても基本同じ構成なので、体形が違っても体への内臓の収まり方は似たようなものです。
ですので、アジなど身近な魚をお刺身に出来るなら、それが大きな魚や別の種類にかわっても対応できると言ってもいいかなと思う。(大きな魚は重いし、慣れないとヒレなどで怪我しかねないので、徐々に慣れる必要はあります。)

まずは、いつも使っている家庭の包丁(三徳包丁など)をよく砥いで、いつものまな板で。できるだけ鮮度の良い刺身用アジなど買って何度も練習していくと良いです。

魚の捌き方を書いた高価な本は役に立つか?

結論から言うと、公開されているプロの動画を見る方がわかりやすかったです。ただ書籍も含め、動画も複数のやり方を見て比較した方が、見聞きした情報を踏まえて「自分はどのようにやるか」にうまく繋げていきやすいです。
「本」が良かった点は、魚の体の構造の図説や、各部位の呼び方などを見られる「図鑑」的な部分だと思いました。

どんな動画が良かった?

「こういうやり方もあるけど、これで良いよ。」、「我々はここまでするけど、これで十分だよ」、「このくらいすればOKだよ」という抜け感のある説明付きの、プロの動画が、一番自信を貰えました。
スゴ腕の魚店主が解説!魚の見分け方、三枚おろし、アジのなめろうの作り方! #1
5分で調理!サバの煮付けが簡単にできる魚屋さんのレシピを公開! #2

練習に向く魚はどんなもの?

最初はヒラメなどの〝底物〟やカワハギ系など、変わった形の魚はやめときましょう。そして鮮度の高い魚という事がなによりだと思います、作業しやすいからです。

新鮮だと内臓がはっきりしていて理解が進みますし、ハリがあるので作業しやすいです。
本や動画などの手本で使われる新鮮な魚と手元の魚との見た目が一致していたほうが自分の作業に自信が持てるかもしれません。

この新鮮なサバ、左の写真は頭と内臓を体から切り離してまだ水で洗う前なんです。こんなに綺麗にペリッと外れました。内臓が入っていた薄い部分(ハラミの部分)がピンと張っているのもわかりますか?
もう〝チートだろ〟ってくらい作業性が違います。

市場など漁師さんにより近い購入ができれば美味しい魚を食べられますが、そういった時、丸魚を捌けると選択肢が広がり、金銭的にもお得ですよ!どうでしょう、チャレンジしたくなってきました?

内臓など生ごみの処理・対策はどうする?

魚の内臓やアラなど生ごみの臭いは気になりますね、私はこのように対処しています。

生ごみを出せる曜日の前日を魚料理の日にする!

非常にシンプルですが、一番ストレスの無い方法です。笑

ゴミ出しの日まで冷凍保管する

基本的に私はこの方法をとっています。
食べ物とゴミを隣あわせに保管するのは最初は抵抗がありました。しかし血や内臓を袋の外から触るあのブヨブヨとした感触も、凍ってしまいさえすればただのカチコチ。慣れです。袋を何重かにして液モレの無いよう注意すれば何も問題ありません。
燃えゴミの日の朝、冷凍庫の生ごみを忘れないよう気をつけましょう。

頭やアラなどは出来るだけ利用する

頭やアラ・骨などはゴミにする前に出来る限り出汁を取るなど利用をするようにしています。脱水されたガラ状態になった方が、ゴミとしての厄介さや質量が減る気がしてます。
(加熱後のほうが臭いは香ばしいものが立つかもしれませんけど…まぁそこは冷凍で。)

まあゴミがどうこう以前に、新鮮な丸魚を購入したのなら隅々まで食べ尽くさない手は無いですので、しっかり味わいたいですね。

道具や手の臭いはどのくらい気になるか

自分がそう思っていなくても家族から〝魚臭い〟と言われる事があるかもしれません。慣れてきますが、たまに爪のまわりなどが気になる事があります。

重曹でスッキリ:手の臭い・道具の臭い

重曹で洗うと結構楽に臭いがとれます、100均で買えるので置いておくと他の掃除や用途にも色々と便利です。
食器洗いのスポンジに重曹の粉を乗せ、少し水を含めたら、そのまま、まな板や道具などにこすりつけながら洗います。道具ついでにそのまま手も軽くこすり流せばすべて臭いもすっきり落とせます。

*重曹を手洗いに使うときは、短時間でさっとそそぎましょう。(手の蛋白質が溶けてますから)

怪我対策で手袋を使う?

アジ・イワシ・サバあたりで練習している間は一旦無くてもいいと思います(お子さんの練習の場合は必要)。魚屋さんのように、早く沢山・一日中処理するわけではないですし、刃の先を手に向けないよう集中しましょう。

手を保護する必要のあるお仕事の方や、爪のおしゃれを保ちたい方などは、はじめから使って徐々に慣れていくと良いかもしれないです。
使い捨てゴム手袋はあると便利です。

ニトリルゴム手袋(使い捨て)

薄いので素手に近い感覚で作業が出来、怪我対策にはなりませんが手肌の保護・臭い対策にはなります、また、内臓を直接触れたくない方にも。

着脱のための〝粉つき・粉なし〟があります。私は粉なしを選びましたが、湿った手での着脱でも特に不自由なかったです。ほぼピタで緩みは無いのですがもっと小さいのを使うべきだったかもしれません、とにかくハコで買うときは量が多い(100枚入りなど)のでサイズを間違えないよう注意してくださいね。

魚用手袋/耐切創手袋

「魚 専用手袋」などで検索すると、いろいろと専門的な手袋が検索にかかります。怪我防止や手の保護をしたい場合はなにか使ってみると良いと思います。
私はまだ使ったことがないのですが、新しい包丁を買った時や大きな魚を扱う時に有ると良さそうです。

ウロコ取りは必要?ホネ抜きは必要?

ウロコ取り

アジ・イワシ・サバで練習している間は不要です。「バラ引き」という包丁でこそげ取る方法、ほかにはタワシ・金ダワシでこするなどの対応ができます。

ペットボトルのキャップは使えるか?

ペットボトルのキャップでウロコ取り…という情報があります、鯛で試した事がありますがやりにくいです。ヒメチのウロコはペットボトルのキャップで取りましたが、この場合はかなりやりやすかったです。身が柔らかく鱗の取れやすい小さな魚でした。

プラスチックスパチュラは使えます

専用道具ではないですがスパチュラがあれば使えます(*写真はクイジナートのプラスチックスパチュラです、柔らかいシリコン製ではありません)。小ぶりの鯛くらいなら、ウロコ取り専用道具を買う前に試してみるといいです。丸で囲ったあたりを使い、動かし方はこのウロコ取りと同じです。なかでも優れたウロコとり ’うろこが飛び散らない’うろことり

鯛類など、鎧のようにウロコがしっかりした魚は、800g程度以下なら代用品でもなんとかなるかと思うのですが、それ以上だとウロコ取りを買った方がいいです。

私はこれを使っています、安さで選びましたがなかなか良かったので気に入ってます。

複数のウロコ取りを試した方が〝結局これが一番よかった〟としてスタンダードなウロコ取りを挙げておられました。(リンクは一例)
ウロコ取りのスタンダード形状(?)(LINK:和泉利器製作所 ウロコ取り)

ウロコが飛び散るのが嫌という方が居ますが、使い方、動かし方で少し違います。もしウロコ取りを買って使おうという場合は商品選びや使い方など色々動画を見てみると良いです。

骨抜きは必要か?

ホネ抜きは血合い骨を抜く時に使います。
血合い骨とは、魚を三枚おろしにした時真ん中に残る骨で、お刺身にする場合などに抜きます。(焼き魚・煮魚にする場合でも、骨を取ってしまうと食べやすい)

うちは、使っていない毛抜きを消毒して、魚用にしてます。某ブランドの毛抜きなのでしっかり掴めてかなり優秀、このまま使っても良さそう…ただ、ボディーが小さいので指先の力は要ります。
買うとしたらプライヤータイプの骨抜きが欲しいです。(「骨抜き プライヤー」で検索すると色々ある)

一応、包丁で中骨のある部分を切り取る方法もあります。
(10:20辺り⇒)鯵の捌き方【三枚おろし】

出刃包丁は無くていい

アジ・イワシ・サバあたりで練習している間は不要です。

出刃包丁があると骨を断つのに非常に威力を発揮しますが、無くても大丈夫です。片刃では兜割りが難しいので素人には特に両刃のほうが無難だと思いました。(私の感想です)
背骨(一番太い真ん中の骨)を断つ時は、継ぎ目(竹のフシのようになっている部分)を切れば楽に切断できます。ポイントをおさえれば三徳包丁でok。

兜割り(梨割り)

頭を割る場合も、普通の包丁でできます。確実に頭の真ん中にまっすぐ刃をおろす事によって可能です。むしろ片刃の出刃包丁を使った場合、刃が進むほど包丁が横に流れてしまいやすく、難易度が上がるんです。中心を反れると骨が固く刃は進まなくなります。中心を反れないように下まで切り下ろせれば、頭を割る事ができます。
初心者必見!頭の取り方 頭の割り方編 vol.185

鋼(ハガネ)系は錆びるので手入れが大変

出刃もそうですが、刺身用や薄刃などの和包丁は鋼素材なので、使っている間にもう錆びているほどです。刃の部分に柔らかい鋼が使われていて、基本どんどん砥いで使う物のようなので砥石を買うか砥ぎに出す事になりますし、刀身の平な部分(刃じゃないところ)が錆びればクレンザーで錆び取りするなど結構大変です。

そういったわけで、ふつうの両刃や牛刀などのほうが扱いやすいようです(片刃よりも両刃)ただし、板前さん志望とか本格的に料理の道に入りたいという展望があるようなら出刃を正しく使えたほうが良いみたいですが。(私は片刃の出刃を買ってしまい頑張って維持してます、いちおう出番はおおいにありますよ。)

木のまな板は要らない

高価な和包丁を買ってしまった場合は木のまな板が必要と考えるかもしれませんが必ずしも必要ないという事でした。(某・元板前現プロ砥ぎ師さんから聞きました)
むしろ衛生重視の現場では樹脂製のまな板を使用する方が多く、じゃんじゃん洗ったり漂白できたりするほうがいいんですね。

あまりに刃の欠けるのが気になる場合、鋭く砥ぎ過ぎている(刃が薄すぎる)可能性も考えられるので、若干鈍角に砥いでみるとか…良いかもしれません。砥ぎに出すなどして、プロの方に直接お話を聞いてみるとよいです。

準備すると良い・便利なもの!

用意した方が良い物を紹介します。

是非用意した方が良いもの

  • 小さいブラシ(絶対有った方がいい):何でも良いですが歯ブラシ程度の大きさの使いやすい物があれば、魚の腹を簡単に綺麗に洗えます。私は100均で買ったキッチンの掃除用ブラシを愛用してます。大きな魚になるとササラを使ったりしますが、小型の魚には小さいブラシが良いです。
  • 調理ばさみ:背びれ、腹びれやトゲなどを真っ先に切り取ってしまうことで怪我を防げますので、怪我が怖い方は持っていた方が良いです。エラの切り取りが包丁でうまくいかない場合の補助にも。塩焼き用にエラと内臓を取るだけの時はハサミだけでできます。とにかくあると便利。

普通に、あったほうが良いもの

  • 漂白剤:まな板、ふきん、タワシ、ブラシなど気になるものに。
  • ふきん(タオル可):魚を捌いている最中に包丁を拭いたり、水で流した後の魚の水分を拭き取ったり、まな板の水分を拭き取るなど。
    魚の水分を拭き取る際にも、紙だけだとかなり量を消費してしまうので、ある程度布を使うと節約になります。普通のタオルを魚用にしても構いません。
  • キッチンペーパー:魚の水分をしっかり拭き取る。処理後の切り身を包む。厚手のペーパーのほうが身にくっつきにくいです。うちは厚手(リードクッキングペーパー)と薄手(普通のキッチンペーパー)の2種類用意してます。
  • 食品保存袋:Lサイズ(40cm四方くらいの大きさ)のビニル袋が有れば、処理後の魚を入れて、空気を抜いて密閉保存に使えます。(ストローなどで空気を吸い取って封じる)
  • ポリラップ:袋でもいいですが、処理後の魚をラップする時使えます。ポリラップはサランラップやクレラップと違って伸びがあり巻きやすい、そして安いです。
  • 流しのゴミキャッチ網:排水溝でゴミキャッチ。水で流れるウロコや内臓カスを集め取り、最後に丸めて内臓ゴミと一緒に冷凍へ。魚をたくさん処理する時など目が詰まって途中で取り換える事もあります、残り僅かなら買い足しておこう。

【優先順位低】将来的に便利なもの

  • 角バット:本気になり始めたら、有ると便利です。まな板の脇に控えて、切り出した半身や頭など切り分けた魚を置いていったり、そこで塩を振ったり。調理では小麦粉を振る…など用途さまざま。処理後の魚を冷蔵庫内で保管する際にも。四角いバットは冷蔵庫への収まりが良いなど重宝します。
    注意:酢〆に使いたければ変色しないステンレスが良い、冷凍時はアルミ素材が効率良い。
  • 砥石1,000番(中砥):本気になり始めたら砥石1,000番(中砥)を持つと良い。[補足]
    砥石を使っていくと、よほど上手くなければ石の表面がゆがんでくるので、後々〝面直し〟が必要になって追加購入する可能性もあります。
  • 剪定鋏:ペリカンの口みたいな形の、庭仕事に使うハサミです。調理ばさみでは歯が立たない背びれの太いトゲや骨など、剪定鋏があれば軽い力でサクッと断つことができ非常に便利です。大型の魚で苦労する事がでてきたら検討するといいです。

ダイソーのブラシ良いよ~。

まとめ

いかがだったでしょうか?
魚さばきは難しいという錯覚を感じる所に問題がある気がします。(錯覚でございます!)

最初は、時間や心の余裕がある程度必要かもしれません、「趣味」の感覚を持つと楽しめます。必ずしも高価な道具を買う必要は無いですし、手近な魚から順に試してみてほしいです。

以前の私のように、魚の調理に難しさを感じていた方の背中を押せたらなーと思っております。