【メモ】パンの焼成・温度と時間
寝かせっぱなしになっていたライサワー種を久しぶりに起こしてみました。
2020年9月10日から冷蔵庫に、半ば忘れていました。7か月ぶりです。起きるまでに少し長めの時間が必要かもしれない、もしくは死んでるか。
元種から酵母を起こす
発酵に使う瓶とスプーンなどを煮沸消毒。
サワー種(元種)を30g、ライ麦全粒粉中挽き粉70g、水70g。
28℃に保ち24時間ほど待つ。
基本は粉と水が同量(半々)で成るサワー種だが、もどす際に混ぜる水と粉を1:1できっちり計らず、水はわずかに多くなっても良い。
水が多い場合はゆるい種になるが、菌は動きやすい。(そもそも保管していた元種は粉を混ぜてそぼろ状としているため水分が少ない。少なくともその分は補填してよいのではないか)
酵母は目覚めてくれたので、一部を次の元種としてあらたに保管。
最低10gは取っておきたいですが、ロスを計算にいれ、だいたい20gを小瓶に取る。それと同じ重量のライ麦全粒粉粉(粗挽きのほうが良い)を混ぜてそぼろ状にし、冷蔵庫に保管。
パンを焼く・焼成の温度と時間(1回目)
とあるレシピを参考に、ライ麦パンを焼きます。
リーンなパンが比較的高温で焼かれるのに対し、我が家のオーブンは最高230℃のため不足、またレシピは250℃で焼成としていたため、温度と時間をアレンジしなければならない。
焼成の温度と時間に関する情報を収集
- 焼減率=(生地重量-焼成後重量)÷生地重量
- パンに火が通り、固さ、口どけが良いのは、焼減率が25~30%ぐらい
- 生地重量が50gの菓子パンであれば約5分程、惣菜パンであれば約7分程で焼減率が25~30%に達する
- リッチな生地は砂糖が多い事から焦げやすいため温度↓、リーンなパンは温度↑
- 高温でさっと焼くと中がふんわり、低温で長く焼くとラスクのように固くなっていく。220度で11分焼いたパンより、180度で15分焼いたパンの方が硬いパンになる。
- 丸パンやロールパン→高温で短く焼くと(220度で11~15分程度)ふんわり柔らかいパンになる
生地重量、162gです。(焼く前にクープを入れ忘れてしまった…)
どのみち機器の設定可能最高温度が230℃なので、焼きながら時間を測って焼減率を確認していくことにした。
このオーブンは温度に不安定なところがあり、特に最高温域はその温度まで上がりきらないため、実温度をオーブンメーターで確認した。メーターの配置がドアに近かった事と、途中で扉を開閉した事もあり温度は下限が200℃、上限が227℃ほどに見えた。
*計測はバイメタル(温度による膨張係数が2種の金属板を重ねたもの)を利用した簡単な構造のもので、ゆっくりした反応。実際の温度に即座に反応するものではなく扉の開閉時はもっと温度が下がった可能性がある。
経過時間(分) | 生地の重さ(g) | 焼減率・差分 | 焼減率・累計 |
---|---|---|---|
0min | 162g | – | – |
10min | 151g | 6.8% | 6.8% |
14min | 143g | 5.0% | 11.7% |
18min | 136g | 4.3% | 16.0% |
22min | 130g | 3.7% | 19.7% |
26min | 125g | 3.1% | 22.8% |
2021-03-25 |
なかなか焼減しないうちに焦げてきたためここまでが限界と思い26分で取り出した。
162g、181gの2本の生地を焼成。いつも奥のほうが良く焼けるオーブンのため大きい方を奥にしたが、焼き加減に思ったより差が出た。手前の生地はたびたび取り出して重さを測っていた事や、扉の開閉で手前は温度が下がり気味だった事なども影響したと思われる。
とりだした直後は奥で焼いた方からだけ、湯気のようにかすかな煙がひとすじ見えたほどで。あと少し時間を短くして良いかもしれない。
クラム(内側の柔らかい部分)は、もっちり・しっとりとして美味しく焼き上がっていましたが、クラスト(皮や表皮)は厚くなってしまい、許容の限界か、もしくはそれを超えたかと思う、温度が足りないということか。扉の開閉をしなければ今回よりわずかに高温を維持できるはず。測定ポイントを減らし調整し、改善の余地がありそう。
パンを焼く・焼成の温度と時間(2回目)
焼減率25~30%をめざす。オーブンメーター(温度計)の表示温度を安定させるため、今回は手前ではなく奥(左奥)に設置した。
経過時間(分) | 生地の重さ(g) | 焼減率・差分 | 焼減率・累計 |
---|---|---|---|
0min | 172g | – | – |
15min | 147g | 14.5% | 14.5% |
16min | 144g | 1.8% | 16.3% |
2021-03-29 |
んー。なにをとちったのか、焦って計算したので焼減率29%と勘違いして焼成終了させてしまった。。焼減率は16%でした、食べられるけど中央がギリギリちょい生焼け気味。
ただここでよく結果を見てみると、焼減速度は前回よりも早いペースとなっている。
前回は焼き始めて10分から4分ごとに生地を取り出して重さを測定していたが、今回は開始15分後まで扉の開閉を控えた。より高温で焼くことができていると思われる。
オーブンメーターのメモリ推移
オーブンを230℃設定で予熱しはじめ、予熱完了の時点で、庫内のオーブンメーターは220℃を指していた。
その後、生地を入れるため扉の開閉で一旦210℃に下がり、5~6分かけてメーターは220℃まで持ち直した。更にその後5~6分で230℃に到達!
(うちのオーブンちゃんと230℃出せるんじゃないか!)
開始から15分では240℃に到達。(こら!)おそらく扉付近ならもう少し低めの温度でしょう。平均して230℃の実力があるとみても、まあ間違いでは無いけど位置による温度ムラが結構あります。
次回は開始から18分くらいまでは扉を開閉せず焼いていきたい(20分でも良いかもしれない。)、答えが出る事に期待。
パンを焼く・焼成の温度と時間(3,4回目)
クラストが分厚くなりすぎず、且つ、焼減率25%をめざす。
3回目:
経過時間(分) | 生地の重さ(g) | 焼減率・差分 | 焼減率・累計 |
---|---|---|---|
0min | 149g | – | – |
20min | 123g | 17.4% | 17.4% |
25min | 117g | 4.1% | 21.5% |
2021-03-30 |
20分まで計測を控えたが、あと数分で焼減できると思えないので結局25分まで焼いた。25分。これを結論としてよいのかわからんが、一部分、断面の中央にべたつきのある部分があったので、やはり焼き足りてないんだろう。
4回目:
経過時間(分) | 生地の重さ(g) | 焼減率・差分 | 焼減率・累計 |
---|---|---|---|
0min | 158g | – | – |
20min | 132g | 16.5% | 16.5% |
26min | 124g | 5.0% | 21.5% |
2021-04-01 |
おなじく20分で計測した、前回25分で焼けきらない部分があったので、26分焼いたがやはり焦げすぎるので26分で取り出した。表面はがちがち。
まるこげである。
結果:答え出ず
我が家のオーブンは最高温度(230)設定時、ゆっくりと庫内温度を240℃まで上げる能力があるとわかった。
「温度を高く・時間を短く焼く」ために、この最高温度設定で焼く事は、このパンのレシピに合っていないように思う。きっちり焼こうとすればクラストは石のようにガチガチに厚くなり、時間を短くすれば中が生焼けになっていくだろう。火の入り方を良くするために別の形に成型するか小さくする事で解決する…かどうかはわからない。しかし生地の体積が減ればグリッシーニのようにカチカチになっていくだけという気もする。
庫内に小さな水カップを1個置くだけではスチーム効果なんて出ていないと思うが、スチームのでない電気オーブンで高温蒸気を発生させるような状態を作るのはショートの危険、火事につながる可能性もあるということで。これについての改善は難しい。せめて焼く前に生地に霧吹きをしたらどう変化するか試してみたいが、最後に焼いたパンのクラストが固すぎたため刃がたたず表面をナイフがすべり、現在指を負傷中。傷が完治したらまたチャレンジしていきたい。
オーブン用に鍋を買わなければ解決せんかもしれんね。